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2007年6月19日 (火)

伊勢に姫路城

日本が誇る世界遺産、姫路城(姫路市)の巨大な模型が、三重県伊勢市円座町の住宅地に今春、完成した。保険会社の調査員だった井村裕保さん(69)が十九年をかけ、二十三分の一のスケールで自宅の庭に忠実に再現した。

「なにも言わずに写真を見せたら、本物と思う人もいるのでは」と、姫路市立城郭研究室の学芸員がうなるほどの出来栄えで、各地から見物客が殺到。評判を聞き付けた姫路市は一日、井村さんを「ひめじ観光大使」に任命した。
“井村城”は広さ約百六十平方メートルで、総工費約千八百万円と一戸建て並み。五層六階の大天守の高さは約二・二メートルと大人の背丈を超える。優美な屋根の曲線、白い壁、複雑に組み合わさった渡櫓(わたりやぐら)や石垣、堀。何から何まで実物そっくりだ。

■城のため引っ越し
井村さんが姫路城に出会ったのは十四歳の時。少年誌のグラビアで見て心を奪われた。「こんな立派な城にどんなふうに人が暮らしてたんだろう」。往時の姫路城をいつか再現したいと思い続けてきた。
四十七歳の誕生日に、妻の郁子さん(66)から姫路城の写真集を贈られた。収録された城の図面を見て「これならつくれる」と思い立った。
天守閣が映えるよう山並みが美しく電線も目立たない円座町に土地を購入。一九八九年、若いころ建具職人だった経験も生かし独学で城づくりを始め自宅も引っ越した。保険会社を六十歳で定年退職してからは生活のすべてを築城に充てた。
城の建物は強化プラスチックで作製。屋根瓦の凹凸を表現するため、木製の型枠に瓦の模様を彫り込んでつくった。
現存しない建物も資料を基に再現した。図面で分からない部分は、姫路城に何度も足を運んで確認。石段の数を一つ一つ数え、警備員の目を盗んで、石垣のへりからロープを垂らして高さを測ったことも。
一番苦労したのは石垣。市販の石板を電動のこぎりで数センチ角に削り、石垣のように自然な傾斜をつけた型枠の中にパズルのようにすき間なく並べ、コンクリートを流し込んで固めた。石垣をつくり終えるだけで十二年かかった。
郁子さんも陶芸を習い、天守閣に載せるしゃちほこや侍の人形を焼き上げた。城の庭にもコケを少しずつ植えた。「やってもやっても終わらない。『こんなに大きかったっけ』って、何度も思いました」と苦笑する。
(2007年6月6日 神戸新聞)

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