鳥葬の撮影・報道禁止
チベット:「鳥葬」の撮影・報道を禁止、ハゲタカも保護
チベット自治区政府が、「チベット族が1000年にわたり維持してきた習俗を保護するため」として、鳥葬を撮影したり報道することを禁じた。10日付で新華社が伝えた。
鳥葬は天葬とも呼ばれ、葬儀の最終段階で遺体をハゲタカに食べさせる儀式を指す。もはや魂の抜け殻になった遺体には執着せず、「布施」として鳥に食べさせると同時に、天に送りとどけてもらうという考えによるものとされる。
チベット政府は「天葬管理暫行規定」を発表して、鳥葬を行っている現場における写真及びビデオ撮影を禁止。さらに、雑誌、テレビ、映画、インターネット、書籍で「報道」することも禁止した。画像だけでなく、文字によって報じることも許されないという、厳しい規制になっている。
また、鳥葬に必要なハゲタカを保護するためとして、鳥葬の儀式場の周辺で、射撃や爆破、土石の採取を行うことや、爆発物や劇物・毒物等を貯蔵すること、ゴミを捨てたり産業排水や生活廃水を放出することを禁止した。
さらに、「最近では伝染病患者の遺体を食べたためにハゲタカが死亡するケースが相次いでいることに、一部の民衆や鳥葬を執行する『天葬師』が強い関心を持っている」として、中毒や伝染病などで亡くなった人の遺体を鳥葬にすることを禁止した。
チベット族が死亡した場合、8割程度が鳥葬によって遺体が処理されているとみられている。チベット自治区民生庁福利局の覃家明・局長は、「チベット自治区及び中央政府は、チベット民族独特の風俗習慣を尊重している。以前から、部外者が鳥葬を見物することは禁止している。まして、撮影などすることは許されない。違反者に対しては、法的な責任を追及する」と説明している。
(中国情報局ニュース 2006/01/12(木) 00:24:01更新 編集担当:如月隼人・恩田有紀)
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蔵に鳥葬に関する新規定 撮影や報道を禁止
西蔵(チベット)自治区政府はこのほど、鳥葬に関する暫時規定「天葬管理暫行規定」を通達した。同自治区民政庁が10日明らかにした。
西蔵の鳥葬台の保護に関する地方政府の通達は、1985年以降3回目。千年を越える歴史を持つ、蔵(チベット)民族の伝統的な葬儀である鳥葬を、十分に尊重し、保護する狙いがある。
同規定は「鳥葬は蔵族の人々の葬儀習俗であり、国による法的保護を受ける」と定めている。鳥葬現場の見物や撮影が禁じられるほか、鳥葬に関する文章・写真・報道を新聞や雑誌、ラジオ、映画、テレビ、インターネットを通して伝えることも禁じられる。
また、組織や個人を問わず、鳥葬台やその周辺では、射撃爆破やラッパ演奏、石・土砂の採取や掘削、可燃物・爆発物・毒物・腐蝕物・放射性物質の貯蔵や放置、ゴミの遺棄、工業・生活廃水の排出が禁止される。中毒、急病、感染症による死者の鳥葬も禁止される。また、「鳥葬師は鳥葬業に従事する専門職で、尊重されるべきであり、いかなる組織または個人も差別してはならない」と定めている。
(「人民網日本語版」2006年1月12日 編集NA)
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チベット自治区政府、鳥葬の撮影や報道を禁止
中国のチベット自治区政府は11日までに、チベットの伝統的な葬法である鳥葬の撮影や報道を禁止する「鳥葬管理暫行規定」を公布した。民族の文化や習俗を保護するためとしている。
鳥葬は、石台の上で解体された遺体をハゲタカなどについばませる葬法で、死後の「転生」(生まれ変わり)を信じるチベット仏教の伝統的葬儀。
国営新華社通信などによると、公布された規定は、無関係な人間が鳥葬の現場を取り囲んで見物することも禁止。周辺でハゲタカを銃で撃ったり採石などの開発をしたりすることも禁じた。さらに、鳥葬を執行する鳥葬師を「特殊な職業」として尊重するよう求め、老後は社会保障を受けることができると定めた。
自治区内には現在、1075カ所の鳥葬用石台があり、100人近くの鳥葬師がいるという。
チベット自治区は昨年成立40周年を迎えたが、チベット族の反漢族感情は根強いとされる。今回の規定公布は、チベット仏教の伝統を保護する姿勢を強調することで中央政府への支持を高めよう、との狙いがあるとみられる。
(2006年01月12日10時29分 asahi.com)
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
なぜ撮影することがいけないのか、理解に苦しみます。守るべき文化遺産として記録を残す必要があると思うのです。
私は観光でペルーに行ったことがあります。ペルーでも鳥葬の習慣がありましたが、それは選ばれた特別な人が天に帰るための大切な儀式ということでした。
ペルーで遺跡や博物館を回ると、ミイラやコーンヘッドに整形した頭蓋骨などを沢山見る機会があります。なんというかもう、美しいんです。うまく言えないけど。
投稿: KEIKO | 2006年4月12日 (水) 23時14分
asahiも書いているように、どうも保護が目的の動きではないようなんですよね。
今までは火葬をすすめていた記憶がありますし・・・。
投稿: 池 | 2006年4月14日 (金) 00時52分